Princess Bride！（東のエデン/滝咲）

■東のエデン/滝咲
※劇場版Ⅱの後（ED後）のお話です。ご注意ください。
※やや大人向けな雰囲気かもしれません。期待はせずに覚悟を決めてどうぞ。（イメージ崩れても責任とれませんので。）

ご覧になる方は、「つづきを読む」からお願いします。

Princess Bride！

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「あ、もう…帰らなきゃ」

時計を見て、名残惜しそうに咲が肩を落とす。悄然としている彼女を、ソファに座っていた滝沢はじっと見つめた。
確かにもう、夜の闇が深い。ひとりで帰すにはこわい時間帯だ。無論、そんな真似をするつもりはないのだけれど。

仕方なさそうにバッグへ携帯電話を押し込み、咲は立ち上がる。
いつもなら『送っていくよ』と言えるのに、今日はなんだかそういう気分にはれない。（正確に言うなら、そういう気分じゃない。そう、もっと別の、全然違う気持ちが止められそうにない。）

バッグを置いたまま、ちらり、と彼女は滝沢へ目を向けた。
送っていくよ、の言葉がないことに不安を覚えたのかもしれない。
すこしだけ眉根を寄せて、滝沢の様子を窺うように小首を傾げる。

「滝沢くん？」

滝沢はソファに寄りかかっていた身体を起こし、真っ直ぐに咲を見た。
咲、と唇から零れ落ちる声は、静かに咲の胸を揺るがす。落ち着いているのに、こころの深くに染み込んでくる、響き。
ドキリとして、瞬く。不安は消えて、微かな緊張。
そっと滝沢を見つめ返すと、彼は両腕を広げて、ちいさく笑った。


「俺、帰したくないんだけど？」
「それ…。…ずるいよ、」
「そう？　咲が帰るって言うなら、ちゃんと送っていくよ」


にっこりと笑って、滝沢はバイクのキーをちらつかせる。
どうする？　と悪戯を仕掛けた子どものような、きらきらとした瞳に、咲は呻いて、視線を逸らす。


「だから…ずるい、のに」


選択肢があるなんて、そんなものはかたちだけだ。
こころを鷲掴みにする彼のすべてに、咲が抗う術などない。
どこか悔しそうに唇を結ぶ咲に、やさしい視線を投げかけたまま、滝沢はひっそりと彼女の答えを待っている。

無言の時間が、僅かに訪れる。
焦れたのは、やはり咲のほうだった。

落とした目線をそっと滝沢へ戻し、ゆっくりと短い距離を縮める。
滝沢はソファに座ったまま咲を見上げ、立っている咲は滝沢を見下ろす。


「なんだか、」
「ん？」
「…ううん。なんでもない」
「ほんとに？」
「うん」
「なら、いいけど。ここ、座って？」
「…うん」


滝沢は脚を広げて、そこに座るようにと咲へ促す。
何度か瞬いてから、はにかんだ咲はそっと腰を下ろした。

咲の背凭れは滝沢のぬくもりだ。
腰掛けた咲に伸びてきた手が、やんわりと僅かに空いていた距離を縮め、零を求めている。
滝沢の腕に抱き寄せられ、その行為にくすぐったさを覚えて、咲はくすりと笑みを零す。
咲の頭に鼻先を押し付けて、滝沢が『余裕だね？』とからかうように耳元で囁く。


「余裕…って」
「とりあえず、お泊り確定でいいよね、帰らないってことは？」
「……」
「それとも、」


帰る？　零れた息と低い声が、咲の耳に落ちて、ドキドキと心臓を高鳴らせる。
ついでのように頬を撫でる滝沢の指先が、つー、と首筋をなぞった。
ぞく、とちいさく肩を震わせて、咲は滝沢の腕の中で、縮こまる。


「咲？」


弾みを押し込めた声音で、問いかけられる。
黙り込む咲の首筋をなぞる手は、そのまま下へ降りて、今は鎖骨に触れている。
やさしい手つきに、けれど胸の鼓動は収まらない。聴こえてしまうのではないかと思う程に、ドキドキしている。
降参の吐息を漏らして、咲は消え入りそうな声で答える。


「…分かっててやってる、滝沢くん…？」
「んー？　どういうこと？」
「…その……私の、気持ち」
「咲の気持ち？」
「だから……。わ、私も、『帰りたくないな』って思ってたの…っ」


ちいさな悲鳴を上げる。口にした言葉の意味が、滝沢に通じない筈もない。
恥ずかしくて、咲は俯いた。追いかけるように（或いは追い討ちをかけるように）滝沢が咲を抱き締め、その細い肩にそっと顎を乗せた。
思わず顔を横に向けた咲は、滝沢の満面の笑顔にまたドキリと息を詰める。


「勿論」
「…っ、」
「咲がそういう顔してたから、俺もそれに応えなきゃと思って」
「う、うそ…。え、私ばっかり……そう、なの…？」
「あぁ、ごめん、違うよ？　俺もそういう気分だったってコト。だから安心して」
「…う、うん？」


安心していいのかな、それ。　思ったものの、鎖骨に触れていた滝沢の手が移動を始めたので、咲はぴくりと身動ぎする。もう思考回路はぐちゃぐちゃだ。まともに何かを考えられない代わりに、すべてで滝沢を感じようとしている。


「咲、」


滝沢が、目を合わせたまま、咲を呼ぶ。
逸る鼓動は、きっともう滝沢に知られてしまっているのだろう。
心臓の位置にある滝沢の手と、目の前の滝沢の顔に、すべての意識を持っていかれる。
あぁ、と咲は自覚する。いつものように、それを予感する。

もうすぐ、滝沢を感じる、ただそれだけの身体になってしまう。

それでも、いい。
それが、いい。

望んで、咲は静かに目を閉じる。そうすれば、滝沢の唇が降ってきて、あとはもうただ熱を分け合うだけだ。滝沢も望んでくれている筈の、二人だけの時間。お互いだけに許された、混ざり合う夢心地。

唇が触れて、彼のポケットの中のノブレス携帯が零時を知らせる。知らん顔をして、滝沢は咲の唇に、ついばむようなキスを何度も落とした。

境界線の向こう側には、二度と手放せない、大切なものがある。
やわい身体をそうっと、だけど強く抱き締めて、滝沢は甘く香る咲のにおいを吸い込む。


「帰らないでくれてよかった」


ぽつりと呟く滝沢に、『え？』と咲が返す。
ぱちり、と瞬いた瞳に笑みを零して、滝沢は再びその唇を塞いだ。

■END

日付変わってビックリだ！　で、でもしょうがないんです、だってこれ書いてたのと六本木にて開催される『東のエデン オールナイト上映』のチケットを取りたかったから…！（トータル百十席しかないんだもん！　はやくGETしなきゃと思って！　販売は零時スタートだったので、購入ページ開いて待ち構えていたよ…！！）

ふう。うふふふふ。（壊れた。）
さて、喜びつつ後書きを。

ダメだ…。哀華さん、わりと曲からネタ起こしするタイプなんですが、エデンはあんまりないかも。
別ジャンルでは、よくI'veから拝借してきてたので、大好きなKOTOKOちゃんから拝借しようと久しぶりに『LOVE A RIDDLE』流し始めたら…ダメだ、やっぱりKOTOKOちゃん大好きで…。
好き過ぎて、滝咲に変換して聴いてしまう。（爆。どんな原理よ。）
滝→咲なんですか滝←咲なんですか。もうダメだ思わずmp3プレーヤーに突っ込む。今度ちゃんとこの曲でなにか書きたいな。というわけでタイトルは却下。思いつかないので、脳内でBGMだった『Princess Bride！』をタイトルに。これもKOTOKOちゃんなんですが。ちょっと作品と傾向が違うかも…電波だし。

もっとちゃんとエロリスト滝沢を書きたいよー。
ともあれ、お付き合いいただいた皆様、どうもありがとうございます。

六本木のオールナイト上映チケットGETで、ちょっといつにも増してアホになってます。あと眠いです。ねむい。おやすみなさいです。

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桃色爆弾

TOPに追記。

http://www.tohotheater.jp/theater/009/animenight/

六本木で総集編、劇場版Ⅰ、劇場版Ⅱのオールナイト…ですって……！？
超・行きたいのでチケット取りたい、でもどうGETするの！！？
チケット取れたら行ってきます(*´∀｀*)
見納めの場所としては豊洲がベストだけど、内容を考えると六本木でもいいよね？

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先日、一晩もの間、哀華さんの変態桃色トークに付き合ってくださった、とあるお方のところから、面白そうなものを発見してまいりましたので、やってみよーと思います。
※内容がそれなりにエロリストなので、ご注意ください。というか、あまり大っぴらにしていなかった私の変態妄想を晒してるので、覚悟を決めたほうがよろしかと…。
エデン（滝咲）でこんなこと考えてごめんなさい。お遊びですので。笑って許してくださる心の広い方のみどうぞ。こういうネタに（賛同的な）突っ込みいれていただくと喜びます（爆）

哀華さんは変態ですと自己申告しておきます。
いつもジュイスには『どS！』と言われてしまいます。

後悔しても知りませんよー…？


哀華さんのイメージが壊れるのは全然構いやしませんが、
滝沢くんや咲ちゃん、エデンの世界観を壊しかねない内容なので、
本当にエデンが好きな方はご注意くださいませ。お願いします。










ついったー、なるもので何やら診断できるらしいのです、いろいろと。
で、今回、診断していただいたのは、『エロ　三種の神技ったー』です。

性技は正義！あなたの３つの技のレヴェルをあえて★10段階で評価してみよう。

↑引用。…正義らしいです。どうかな…そうとも限らないよね。（←自重してください煩悩。）

さてさて、ともあれ診断。
哀華さんは苗字と名前の間に半角SPACE入れる派なので、それでやってみようと思います。（というか、『滝沢朗』だと、診断結果がつきねこさんのモノと変わらなかったっぽいので。）

滝沢 朗の性技
『指技Lv.★★★★★★★★』　８
『舌技Lv.★★★★★』　５
『腰技Lv.★★★★★★』　６
『満足Lv.★★★★★★★★★』　９　 ※相手の満足度

後半の数字は星の数。え、ちょっと待って。十段階で初めてなのに咲ちゃんの満足度が９？　それって気持ちの面が大きいよね、初めてだし？
エロリスト滝沢くんには、回を重ねるごとにいろいろスキルアップしてもらう予定ですよ、哀華さんの脳内では。
まあいいか。占いは基本的にスルーして都合のいいとこだけ信じたいタイプです。

森美 咲の性技
『指技Lv.★★★★』　４
『舌技Lv.★★』　２
『腰技Lv.★★★★★★』　６
『満足Lv.★★★★★★』　６

うんうん。咲ちゃんは基本ステータスがちょい弱みたいですね。
個人的に女の子はそれでいいと思います。むしろOKOK、いい感じです。存外に腰技が並よりちょい上（？）だったり、舌技が未開発っぽいので、不埒な妄想が脳裏を過ぎります。

…悶々してきたー！Σ(´Д｀;)
でも書きません。すいません。諸事情でジュイスに受理していただかないと、書けない（わけでもないけど…）ちょっと、どう書けばいいのか分からない。（笑）
私の優秀なジュイスは多忙なご様子なので、ちょろっと、しょんぼり(´・ω・｀)です。

ああ、楽しかった。
昨日、一年ぶりに起動したエロゲ、全然進んでなかったから最初からやってみて、最初の選択肢まですすめたのですが、どうにもこうにも…書き方、イラストが好みと外れてしまっていて（汗）　エロがメインなのかシナリオがメインなのか、どっちつかずーな感じで選択がやや面倒っぽいので、もうやらなかったりして。せっかく借りたのに。。。あと、借りる時に『哀華が二人いるよ』と言われたのですが、その意味よく分かりました。

エロゲで気分は乗りませんでしたが、この診断メーカーは美味しかったです＾＾
お付き合いしてくださった方、ありがとうございます。
あ、あと、その、やっぱりごめんなさい…（汗）
注意はしましたけど、どなたも気分を害されていないことを祈ります。

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こころは零距離だから（東のエデン/滝咲）

■東のエデン/滝咲
※劇場版Ⅰ/The King of Edenのお話です。ご注意ください。

ご覧になる方は、「つづきを読む」からお願いします。

こころは零距離だから

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「それで、何でバッグを失くしちゃったの？　置き忘れ？」
「あ…えぇと、その…」

スーツ姿の滝沢のすこし後ろを歩きながら、咲は答えに迷う。セレソンのことはまだ話さない方がいい。彼がセレソンであるという証拠も、自分が探していたのは彼だという証も、手元にはないのだ。
運び屋にされちゃったんでしょ、と拳銃を見た彼はそう言った。なら、そういうことにしてしまおう。

「…トランクにいれてもらってたキャリーバッグに、拳銃が入れてあったんです。
　お金払わなきゃって思ってたら、運転手さんがすごい顔で私を外に連れ出して…。
　たぶん、怒ってたんですよね、拳銃に。それですぐ行っちゃったんだと思います。
　私、英語よく聞き取れなくて、なんて言ってたかは分からなかったんですけど……」
「そっか、テロリストに間違えられたわけだ？　それは災難だったね。でもまぁ、なんとかなるよ」
「え？」
「英語、俺もあんまわかんないんだ」
「…、ニューヨークで生活してるんですよね？」
「うん、でも何とかなるんだよね。単語とか、ジェスチャーとかで」

くるり、と彼は振り返り、励ますように微笑む。
やや不安そうに彼を見つめて、咲は曖昧に頷いた。

その曇った表情を見て、滝沢はぴたりと立ち止まると、にっと白い歯を見せて笑う。
きょとん、とした顔で足を止めた咲の顔の前で、彼はそっと人差し指を立て、魔法をかけるように左右に振った。

「smile, smile！」
「え、…え？」
「You are charming！　You know？」
「……っ、」

ちょん、と咲の頬に指先をくっつけて、顔を覗き込んでくる。
ドキリ、咲の胸は高鳴る。まるで、半年前のあの夜のような距離。此処は日本でもないし、夜でもないし、雨は降っていないけれど、脳裏を過ぎったあの時の気持ちが咲の胸を焦がす。

ちいさく息を呑んだ彼女の頬から指を離し、滝沢はにっこりと笑う。
咲は息を吐いて、胸に手を当てた。彼は覚えていないんだから、優しい彼の気遣いなんだから、と言い聞かせる。

胸の高鳴りを落ち着けてから、咲はゆっくりと彼の言葉を胸の中で繰り返し、なんとなく、彼が伝えたかったことを理解する。
流暢な英語とは程遠い発音だったおかげか、それとも簡単な単語だったからか、咲にもそれは聞き取れていた。

英語の使い方とか、文法的にどうこう、というのは置いておくことにして、彼の人懐っこい笑顔が、単語の意味を広げ、和らげている。

笑って、笑って。君は笑った方が可愛いよ。そのこと、知ってる？

たぶん、そういうことなんだろう。
理解して、だからこそ、また胸がくるしくなる。
それでも、目の前の彼が浮かべるあたたかい笑顔に、名前のつけられないパワーをもらっている。ひどく切ないのに、胸が熱い。くるしいまま焦がれているのに、自然と咲はちいさな笑みを浮かべることができた。


「あの、…ありがとう」
「ほんとのことだから、気にしないで。俺、嘘言わないんだ」
「ほんと？」
「う・そ」
「…もうっ」
「あはは。…よかった、元気出たみたいだね」
「え？」
「なんでもないよ。さ、とりあえずキャブに行こうか」


こっちだよ、と言って角を曲がった彼との距離を、咲は出逢った頃のように駆け寄って縮めた。
思い出さなくても、忘れてしまっていても、彼はやっぱり咲の知る滝沢だ。
滝沢の横顔を眺めながら、きっとこころは繋がってるよね、と、咲の鼓動は歌うように願っていた。

■END

昨日、劇場版Ⅰを見返して気が付いたこと。
イエローキャブで滝沢くん、咲ちゃんをテロリストだと運転手に説明してますよね。
あれは咲ちゃんがバッグ失くした経緯を知らなきゃ出てこないなーと、すっごく今更思いました…。（爆）（ほ、ほら、再会からずっと滝咲のターンで滝咲のほのぼのとかいちゃいちゃを考えて願って止まなかったから、他のこと考えてる余裕がちょっぴりなくて！爆死）
というわけで、書けるのは書いた。もう一個、本編補完あるんですが、それは携帯で書き始めちゃったので、書き終わったら、まとめてサイトにUPします。

残るはIFネタです。そっちのネタをIFでやるのもどうかと思うんですが、そのネタは諸事情でなかなか書けない…。
ので、まあ、理想とはすこし違うけど、書けたら書きたいIFネタが一個あります。


鯖の事情で、エデンサイトは移転しちゃうかもしれません。。。新しいソフトまだ入れてないから分からないけど、操作が面倒or訳わかんないし！　だと、もう移転しちゃうかも。今までFTP使い慣れてたんだけどな。使えなくなるのは残念。

あ、そうだ。TVシリーズのフィルムコミック、買いました(*´∀｀*)
劇場版フィルムコミックと劇場版プロファイルも、取り寄せ申請を出してきました♪
トータル五、六千円？　定価で本を買わない哀華さんにしては、有り得ない出費。注文してから、あは、と笑ってしまいました。エデン好きだから気にならないのがこわい。（にかー）

で。フィルムコミック、ちょっと相関図だけ見たんですが、にやにやしました。
これね…買うべきだと思います。エデニストとして、必携の一冊であるのは間違いない気がしてならない。
だって、各ページに、コメントがついてるんです。二行とか、一言とかだけど。
それに静止画なのでいろいろ考えて描写も可能。ここまでアニメ原作にハマったことなかったのですが、いやはやこれは本当に素晴らしい資料になるに違いないと思っている。（見る前から。笑）

いつもblogで拍手してくださる方、ありがとうございます。
ひとつのお話に対して拍手をいただけると、すごく励まされます。
今回はじめてお付き合いいただいた方も、ありがとうございます。
稚拙なお話ですが、楽しんでいただけていると嬉しいです。

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