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エデンに響き渡るのは、焦がれた声。
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■東のエデン/滝咲
※劇場版Ⅱの後(ED後)のお話です。ご注意ください。
※やや大人向けな雰囲気かもしれません。期待はせずに覚悟を決めてどうぞ。(イメージ崩れても責任とれませんので。)

ご覧になる方は、「つづきを読む」からお願いします。

赤の刻印、潔白の夜



「…ん……」

不意に、何かが頭の近くで動く。もそり、と眠っている身体を微かに揺らすと、なぜか眠気が薄れていく。まるで旅行にいった時のよう。眠たいけれど意識を欠片でも取り戻した途端に眠気がさわさわと零れ落ちていくような。
まだ惰眠を貪るつもりでいた咲は悪足掻きにころりと寝返りを打ち、弾力とぬくもりのあるなにかに当たり、体勢を変えることなく、ぱちりと目を開けた。

「─── え、…?」

ドキン、ドキン。見慣れない部屋だと気付くよりもさきに、目の前にある誰かの寝顔があまりにも近くて、咲は心臓が止まってしまったのかと錯覚した。
実際はそんなことはないし、寧ろ逆で、心臓は朝から活発に動いているのだけれど。それはもう、コントロール不能なくらいに。

硬直したまま、息を呑む。
なんで、どうして。混乱する頭の中。ぐちゃぐちゃに乱れた思考回路はなにひとつとして有効に機能してくれない。
唇が、震えながら、ひとつの名前を紡ぐ。
掠れた声は、幸か不幸か届いていない。

フリーズしたまま三秒が経過して呼吸を思い出した咲は、ハッとして周囲を見回した。知らないベッド、知らない天井、時計はない、携帯はどこ。バッグは、ああ、ソファの上だ。やけに広いベッドと、窓のない空間。
なんとなく、此処がどういう所なのか把握して、咲は慌てた。明らかな焦りを見せて、バッと自身の格好を確認する。

残念ながら、バスローブ。

「…うそ」

だけど、下着の感触はある。まだセーフだ。たぶん。

「あ…、待って待って、えーと……」

昨日の夜、なにがあったのか?
眠っている彼の寝顔を見ないように目を逸らし、咲はぼやく。考える。悩む。

たしか、そう。ちょっとお酒を飲んだ。
でも、頼んだお酒のアルコールが強かったのか単純に飲みすぎたのか、途中で眠くなって。
記憶が確かなら、店を出たあの時は既に、終電を逃してしまっていた。
ふらふらしている咲を乗せてスクーターを走らせることもままならなかったのだろう、彼は。
タクシーを呼ぶことはできたけれど、そうしなかったのは。


『───たきざわくん、と。一緒にいたい』


不意に蘇る、記憶。酔っていたとはいえ、なんてことを。誘ったのは、自分?
恥ずかしさのあまり悲鳴を上げて暴れだしたくなる気持ちを押さえつけ、咲は大きく深呼吸した。はだけているバスローブの胸元にぎくりとしながら、そっと肌を隠す。だけど、白いバスローブで隠した胸元、きわどいところに、何かが見えた気がして。ゆっくりと、閉じたバスローブを開く。

─── ほのかに赤く色付いたのは、紛れもない痕跡。


「…、さき……?」
「ふぇ!?」


寝起きのせいか、すこし嗄れた、呼び声がする。
一気に頬が火照って、ドキンと跳ねた心臓は壊れた音を立てる。
何処から出しているのか自分でも理解できない声を漏らして、咲は顔を上げた。

すこし眠そうに瞬いて、滝沢が確認するように訊く。


「おはよう、咲。…昨日のこと、覚えてない?」
「お、おおおおはよう滝沢くん…!」


可能な限り身を引いて、距離を開ける。とてもじゃないが冷静でいられない。
昨晩のことは断片的にしか思い出せない。(恥ずかしくて思い出すことを拒否している、だけかもしれない。)
酔った自分の甘えた発言に付き合って、たぶん彼はこんな所に居る。
ひとつの重要な事実だけを確認する為に、咲は記憶を辿る。

シャワーは浴びた覚えがある。勿論、別々にだ。咲の後に、滝沢が入った。
滝沢を待っている間に、備え付けのドライヤーで髪の毛を乾かしていたのだけれど、そこからまた、記憶が曖昧だ。
眠くて、うつらうつらしていた。滝沢が風呂から上がってきて、声をかけてきてくれたと思う。
傍に滝沢が居ることに安心して、繋いだ手がすごくあったかくて、やさしくて。結局、そのまま、眠ってしまったのではないだろうか。覚えていない。

ベッドで眠っていたのは滝沢が運んでくれたから、だろう。
バスローブはシャワーを浴びて、きちんと自分で着替えた。
だけど、だけど。胸元の赤は?


「咲」
「…、っ」


頭を撫でる、優しい手。
ドキン、ドキン。止まらない。
逃げるように俯いたものの、彼の手はいつも通りで。

咲、と。
ふわふわと、包み込むようなあたたかさを響かせて、彼は名前を呼ぶ。
その声があんまりにも心地良いから、不安を押し殺して、ゆっくりと目を合わせた。


「…あの…。滝沢くん…、」
「もしかして、ほんとに覚えてないの、咲?」


やや落胆したような声に、滝沢自身、すこし驚く。
咲は真っ赤な顔で、慌てて首を振った。もしかすると全部ではないのかもしれないけれど、昨晩のことはちゃんと覚えてくれている、らしい。よかった。

離れてしまった距離を僅かに縮めると、咲がちいさく声を漏らした。


「滝沢くん……、…ごめんなさい。昨日は…え、と、その」
「何で謝るの? 咲、可愛かったよ」
「え、……? な、なにが…? 私、…なにかした…?」
「あぁ、違う違う」


全身で不安を訴えてくる咲に、あははは、と笑って、滝沢は少女を軽く抱き寄せる。
バスローブから覗いた胸板が不意に目に入って、咲は益々ドキドキしてしまった。


「寝言、とか?」
「…え? な、なに言ってたの、私?」
「さぁ? いろいろ可愛いところはあったけど、やっぱり、一番可愛かったのは、これかな」
「滝沢く、…? え、ぇ─── んっ」


首筋に、触れる唇。
一瞬で、熱くなる心。
限界を、知らせる鼓動。


「…ふ、」
「ごめん。でも安心してよ、それ以上は何もしてないから」


ぎゅう、と抱き締められる。ドキドキしすぎて呼吸ができなくなりそうな咲は、辛うじて頷く。
ゆっくり、深呼吸を繰り返す。背中に回された腕はそっと揺れている。子どもをあやすようなそれに、すこしだけ落ち着けた。

滝沢は、嘘は言っていないだろう。
だけど。


「…滝沢くん……?」
「ん、なに?」
「あの…、…その…。本当に、昨日って何にも……」


もごもご、と言葉を濁す。とても口に出来ない。
咲の心中を察した滝沢は、やさしく彼女の頭を撫でた。


「これ以外は、なにも。それ以上も、してないよ」


ちょん、と指先を咲の胸元に突きつけて、あっさりと滝沢は言う。
咲は危ういところにある滝沢の指を見て、呻いて。ふるふる、と首を振って。


「ちがうの」


どういうこと? 首を傾げる滝沢の前で、咲はかあっと頬を朱色に染めて呟く。


「…こっちにも、して」


消え入りそうな声。
咲の細い指が、そっと自分の唇をなぞる。

驚いた滝沢はぱちぱちと瞬く。戸惑いを浮かべて、いいの、と問いかける。
咲は何も言わずに、滝沢を見つめた。瞳にすべての願いを込めて。

ああ、なんで訊き返しちゃったんだろう、俺。
反省しながら、滝沢は嬉しそうに微笑んで、そっと咲の頬に手を添える。

零れた吐息を唇で受け止めて、静かに目を閉じる。
お互いに触れ合おうと望んで縮めた距離。
優しく触れた唇で、すべての想いが伝わった気がした。


■END

なんとか書き終わった! けど、後書き中に日付変わり…ましたね。あぁぁああ今日もやってしまった…。寝る間も惜しんで妄想に励む。(ダメ人間。)

哀華さんにオススメのキス題。某所で申請されたので、受理してみました。申請してくれた方、ありがとうございます!(って、あれレスできてるのか分かりませんが…まだ使い方を理解してないので。レスできてなかったらすいません…;)
お題にそえてるかどうかは分かりませんが、キーワードだけは突っ込んで。(爆)

シチュ:ホテル、表情:「戸惑った表情」、ポイント:「キスマーク」、「お互いに同意の上でのキス」です。 http://shindanmaker.com/19329 #kissodai

もだもだMAXなキーワード。ただ、このネタ書く前にキーワードをよく理解していなくて(というか、キーワードを本当に単語でしか捉えてなくて、キーワード全部をひっくるめて考えてなかった)、だいぶ違う話を書きかけました。危ない。(爆死)

時間がないので、ノーチェックUPします。最近多いな哀華さん…。
書いている自分は楽しかったです。読んでくださった方、ありがとうございます。
あなたのイメージを壊していないことを祈りつつ…。

雰囲気だけですいません。脳内はピンクなんですが、劇場版とかのオフィシャルに触れると清らかなスカイ・ブルーになる不思議なことになってます。おかしいな。(笑)

拍手ぱちぱちありがとうございます!
拍手もコメントも、すごく嬉しいです。
レスはもうしばらくお待ちくださいませ><

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マスターのこと
HN:
哀華
性別:
非公開
雑多妄想部屋。

【 推奨CP 】
東のエデン/滝沢朗×森美咲
他/男女王道CP

【 好き 】
I've Soundが大好き。特にKOTOKOちゃんらぶ。
fripSide(第一期・第二期)も好きです。naoすき。
ダークトランス系がとてもすき。
エデン影響でsfpも好き。
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