■TOS(原作)/シルヴァラント編/ロイド
ユウマシ湖からソダ間欠泉の道中
スキット『コレットを助けたい』および『求める強さ・求める道』発生後
ご覧になる方は「つづきを読む」からお願い致します。
ユウマシ湖からソダ間欠泉の道中
スキット『コレットを助けたい』および『求める強さ・求める道』発生後
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決して裏切らぬ騎士たらんことを
「俺の求める強さ、か。やっぱ傭兵だけあって、それらしいこと言うよなあ」
認めざるを得ない事実に苦笑いして、ロイドは呟いた。
コレットを助けたいと剣の腕を磨いてきたけれど、本当にそれだけで『強くなった』と言えるのか、ロイドは疑問だったのだ。
そんなロイドの胸中を分かっているのか、クラトスは『強さ』とは何か、と問うた。単純に剣の技術レベルに関して言えば、ロイドの腕は着実に上がっている。だが、ロイドはそれだけでは足りないと気が付いてしまったのだ。
コレットを守るには。
あらゆる敵を薙ぎ払えばそれで済むのかもしれない。
でも、とロイドは考える。
(俺はコレットを守りたいんじゃない)
ちら、とロイドは前方を歩く幼馴染に目を向ける。
疲れを知ることのない彼女は、ジーニアスの横に並んでいた。
砂利道を歩いているのだが、少しも歩きにくそうではない。感覚がない分、加減が分からないのだろう。少しもよろけていないのに、危なっかしいとロイドは思う。
と、コレットが急に振り返った。目が合う。
彼女は微笑んで、薄く唇を開いた。ロイド、と呼びかけて、声が出ないことを思い出したのか、微笑が困ったような弱いものに変わった。
また、ぎゅうっと胸が締め付けられる。コレットを守り続けてきた、でも、それだけでは足りない。コレットにあんな顔をしてほしくなんかない。
かと言って、世界再生をやめろ、とも言えない。クラトスの言葉が重たく胸に蘇る。
『シルヴァラントの民の命、全てを犠牲にしてか?』
分かっている。
そんなこと誰も望まない。
コレット自身が許さないだろう。
でも、だからといってこのまま再生の旅を続けて、彼女はどうなるのか?
完全な天使になったところで、コレットの体は元に戻るのだろうか?
コレットはまた、心から笑ってくれるのだろうか?
誰も知らないこの道の先、或いはひとつの終焉がなにか恐ろしく悲劇的なものではないかと、いつからかロイドは肌で感じるようになっていた。
けれども訊くことができない。どんな試練がその身に降り注いでも、『天使になる』と現実から逃げ出さないコレットを見ていたら、訊いてはならない類のものに思えた。
拭い去れない黒い不安が、ロイドの胸を覆い、彼の見る世界を塗り潰す。
微笑みを向けてくれるコレットの気遣いの視線に息を吐いて、ロイドは剣の柄に触れる。
「…俺は、助けてやりたいんだよ」
誰が何と言おうとも、それだけは変わらない、揺るがない。
ただの護衛ではなく彼女を助ける為の騎士になろうと、ロイドは密やかに決意を立てた。
■END
というわけで、現在ユウマシ湖からソダ間欠泉へ向かってます。
「俺の求める強さ、か。やっぱ傭兵だけあって、それらしいこと言うよなあ」
認めざるを得ない事実に苦笑いして、ロイドは呟いた。
コレットを助けたいと剣の腕を磨いてきたけれど、本当にそれだけで『強くなった』と言えるのか、ロイドは疑問だったのだ。
そんなロイドの胸中を分かっているのか、クラトスは『強さ』とは何か、と問うた。単純に剣の技術レベルに関して言えば、ロイドの腕は着実に上がっている。だが、ロイドはそれだけでは足りないと気が付いてしまったのだ。
コレットを守るには。
あらゆる敵を薙ぎ払えばそれで済むのかもしれない。
でも、とロイドは考える。
(俺はコレットを守りたいんじゃない)
ちら、とロイドは前方を歩く幼馴染に目を向ける。
疲れを知ることのない彼女は、ジーニアスの横に並んでいた。
砂利道を歩いているのだが、少しも歩きにくそうではない。感覚がない分、加減が分からないのだろう。少しもよろけていないのに、危なっかしいとロイドは思う。
と、コレットが急に振り返った。目が合う。
彼女は微笑んで、薄く唇を開いた。ロイド、と呼びかけて、声が出ないことを思い出したのか、微笑が困ったような弱いものに変わった。
また、ぎゅうっと胸が締め付けられる。コレットを守り続けてきた、でも、それだけでは足りない。コレットにあんな顔をしてほしくなんかない。
かと言って、世界再生をやめろ、とも言えない。クラトスの言葉が重たく胸に蘇る。
『シルヴァラントの民の命、全てを犠牲にしてか?』
分かっている。
そんなこと誰も望まない。
コレット自身が許さないだろう。
でも、だからといってこのまま再生の旅を続けて、彼女はどうなるのか?
完全な天使になったところで、コレットの体は元に戻るのだろうか?
コレットはまた、心から笑ってくれるのだろうか?
誰も知らないこの道の先、或いはひとつの終焉がなにか恐ろしく悲劇的なものではないかと、いつからかロイドは肌で感じるようになっていた。
けれども訊くことができない。どんな試練がその身に降り注いでも、『天使になる』と現実から逃げ出さないコレットを見ていたら、訊いてはならない類のものに思えた。
拭い去れない黒い不安が、ロイドの胸を覆い、彼の見る世界を塗り潰す。
微笑みを向けてくれるコレットの気遣いの視線に息を吐いて、ロイドは剣の柄に触れる。
「…俺は、助けてやりたいんだよ」
誰が何と言おうとも、それだけは変わらない、揺るがない。
ただの護衛ではなく彼女を助ける為の騎士になろうと、ロイドは密やかに決意を立てた。
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